
こんにちは!糸の帆(itonoho)運営の山本です。
今回は、Wilcom EmbroideryStudio e4.5の新機能として搭載された「手縫い風効果(ハンドステッチ効果)」のご紹介。
手軽に手刺繍のようなステッチを生成できる機能で、これまでのミシン刺繍にはなかった温かみのあるデジタイズが楽しめます。データ作りがより一層楽しくなる機能です。
手縫い風のミシン刺繍がしたい
ミシン刺繍は機械ならではの均一精巧な面縫いが魅力ですが、手刺繍の作品を見ていると不均一なステッチも素敵だなぁと思うことがあります。好みの問題かもしれませんが、あれがミシン刺繍で出来たら鬼に金棒ですよね。
最近の業界トレンドは、よりナチュラルでデザイン性のある刺繍になりつつあります。
これまでも、フリーハンドでランニングステッチを生成すれば自在に変化は付けられましたが、これはかなりの時間がかかりますし、なによりデザインセンスが問われるデジタイズ手法。加えて、拡大縮小が出来ないのもネックでした。
Wilcom EmbroideryStudio e4.5「手縫い風効果」

そこで登場したのがWilcom ESの「手縫い風効果」。(e4.5デザイニングで標準装備)
ボタン一つで、サテンやタタミはもちろん、ランニングやバックステッチといった様々なタイプのステッチに手縫い風の効果が付けられる機能です。
さらに、細かいオプション設定をすることで、手縫いの風合いを調整することも可能。
手縫い風のボタンを押すだけだと変化は小さいですが、これらの数値を調整することで自分好みの手縫い感に近づけることができます。
Wilcom ESの手縫い風効果を使ってみた
それでは実際にWilcom ESの手縫い風効果を使ってみましょう。
まずは通常の面縫いをするようにデジタイズし、サテンに手縫い風効果を付けてみます。(頭のみタタミを使用してます)

ステッチの角度がランダムに入っているのが分かるでしょうか。オブジェクト少なめにかなりザックリとデジタイズしましたが、手縫い風効果を付けるだけで普通のサテン縫いがここまで変わるんです。
特に白いお腹の部分は分かりやすいかもしれませんね。ここは手縫い風効果オプションの「長さ」と「角度」の数値を最大(5)に設定しています。(羽はツヤを出したかったので控えめの設定です)
もちろんオブジェクトベースのデジタイズなので拡縮も自由自在。

限度はありますが、これが出来るのはネイティブファイルを扱えるWilcom ESならではですよね。ステッチを直接弄っていないので非常に編集が楽になります。
そして実際に刺繍したのがこちら。

手縫い風効果を強く設定したお腹は、かなりふわふわした仕上がりになりました。
ちなみに、オブジェクトごとの境目をはっきりさせたくない場合は「ぼかしステッチ」を入れておくのもおすすめ。上手く使えば色の変化もグラデーションのように自然な雰囲気に近づきます。
ステッチをあえて粗くして、別の色を重ねるのも面白いでしょう。
手縫い風の刺繍は、ステッチの長さで雰囲気が大きく変わります。普段よりちょっと長くしておくと荒々しさが出てより手縫いに近づく気がします。
ただし、長すぎるとループの原因になるので、そこは品質との兼ね合いを見ながら調整してみてください。

個人的にはサテンの手縫い風が好みですが、さらにレベルアップするためにはいろんなステッチを組み合わせる必要も出てくるでしょう。適度に異なるステッチを使うとメリハリも出ますし、独自性のある作品作りにもつながると思います。
今後の作品作りには欠かせない機能になりそうです。
ミシン刺繍で手縫いっぽい作品を作りたい方はぜひチェックしてみてください。
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