こんにちは!糸の帆(itonoho)のやまもとです。
ここではミシン刺繍のほつれ止めテクニックを紹介します。
糸がほつれないために必要ですが、使い方によっては見栄えが悪くなることも少なくありません。刺繍データを作る際は注意が必要。
上手にほつれ止めを扱うコツをまとめました。
ミシン刺繍のほつれ止め
ミシン刺繍のほつれ止めは、縫製と同じく「止め縫い」と「返し縫い」が基本です。
ほつれ止めは刺繍データを作る際に設定しますが、ちょっとした工夫で見栄えに差が出ます。高機能な刺繍ソフトには、ほつれ止めステッチが数パターン用意されていたりもしますね。
ちなみに刺繍機によっては、データの設定とは別に、機械側でほつれ止めを行う機能もあります。糸替えのスタートとエンドに自動的にほつれ止めを入れてくれる便利な機能です。
ただしその場合、「刺繍データ」と「刺繍機」で2重にほつれ止めをすることになってしまうので、そこも理解した上で設定しておく必要があります。ほつれ止めのしすぎは見栄えが悪くなりますからね…。
ほつれ止めを上手く扱うコツ
ここからはほつれ止めを上手く扱うコツを見ていきましょう。
刺繍データ作りの参考にしてみてください。
「縫い始め」と「縫い終わり」の位置を考える
プロはほつれ止めを意識しながら刺繍データを作ります。
例えば、いきなりサテンに入らずにランニングから入ったり。ほつれ止めする箇所はステッチが重なる分、他の箇所と同じように縫うとどうしても違和感がでますからね。
また、刺繍ソフトは「縫い始め(開始点)」と「縫い終わり(終了点)」の位置が調整できるようになっています。手動で変更も出来ますし、渡り糸を減らすように最適化することも可能です。
開始点はデザインの内側に持ってくるのもありです。実際は下縫いもするので、縫い始めは止め縫いをせず、あとから埋め縫いで踏むのもOK。
上手く位置調整して、ほつれ止めが目立たないように工夫しましょう。
糸切りの回数を減らす
先ほど軽く触れましたが、ほつれ止めの多用はデザインの見栄えに影響します。必要以上に使わないのもコツと言えるでしょう。
そこで重要なのが糸切り回数を減らすこと。
例えるなら一筆書きのようなイメージです。糸切りがなければ、ほつれ止めの回数は最小限で済みますし、その分ほつれる可能性も下がります。
糸切りが複数あるデータは、繋げられる箇所がないか探してみましょう。特にあとから埋め縫いで隠れる場所は、つなぎ糸(ランニング)を使用して糸切りを減らすのが賢明です。
文字を刺繍する場合も同じです。
例えば「愛」という文字。画数は13画もありますが、刺繍の場合は一回も糸切りすることなく作れます。
左が糸切りなしで繋げた例。これならほつれ止めは最後の一回でOKです。
大きな刺繍だと赤丸のつなぎ糸が気になるかもしれませんが、そうなった時にはほつれ止めを入れて糸切りします。これに関してはどちらが正解とかはないです。ブランド品などは概ね1ミリ以下に設定されますが、なかには4ミリ以上の渡り糸でも残す業者さんもあります。
ちなみに実際に刺繍すると、こんな感じのシミュレーションになります。
プロの作った刺繍は裏面も綺麗ですが、ステッチのバランスだけでなく、こうした糸切りを少なくする工夫もされています。
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