刺繍データの糸切りを一瞬で減らす方法。Wilcom ES「ブランチング」で誰でも簡単一筆書き

Wilcom ES ブランチング

山本凌哉

こんにちは!糸の帆(itonoho)の山本です。

刺繍データを作っていると、「もっと糸切りを減らしたい」「できるだけ一筆書きにしたい」と思う場面は多いですよね。

ただ初心者さんの場合、デザインがちょっと複雑になるだけで、

  • どこから縫い始めよう?
  • どこでつなげれば良いの?
  • どんなルートで作ろう?

と悩んでしまい、最終的に糸切りだらけの刺繍データになってしまうことも少なくないと思います。

そんなときに便利なのが、Wilcom ESに搭載されている「ブランチング」機能です。

刺繍データの糸切りを減らす方法

刺繍データの糸切りを減らすには、次のような方法があります。

  • ランニングステッチで手動でつなぐ
  • 縫い始め・縫い終わりの位置を調整してつなぐ
  • その他ソフトに備わった機能でつなぐ

細かい作成手順・難易度については、刺繍ソフトによっても差がありますが、いずれにせよ初心者ユーザーさんにとって自分で1から縫い順を設計することは簡単ではありません。

そこで役立つのが、今回ご紹介するWilcom ESのブランチング機能です。(ベーシック以上で搭載)

Wilcom ES「ブランチング」機能とは

ブランチングとは、複数のオブジェクトを自動で並び替え、一筆書きにつないでくれる機能です。

自分で縫い順を考えなくても、ソフトが自動でルートを作ってくれるため、

  • 誰でも簡単に糸切りを減らせる
  • データ作成時間を大幅に短縮できる

というメリットがあります。

ブランチングの使い方

刺繍データ 一筆書き

今回はこちらのデザインを例に解説していきます。これを手作業で糸切りゼロにしようとすると、ちょっと面倒に感じる人も多いのではないでしょうか?

ブランチングの使い方はとても簡単です。

  1. 縫い順を気にせず表面の形を作る
  2. つなげたいオブジェクトをすべて選択
  3. 右クリック → ブランチング(I)

まずはとにかく、何も考えずに表面の形だけ作ってあげてください。あとはブランチングを使うだけで、ソフトが縫い順を自動設計し、一筆書きになるようにつないでくれます。

一瞬で糸切りがなくなる

Wilcom ES ブランチング

実際に使ってみた動画がこちら。ブランチングにより、大量にあった ▲(糸切りマーク)が消えていることが分かります。つまり、自動で一筆書きの縫い順に再構成されたということです。

手動で縫い順を考えながら作ると時間がかかりますが、ブランチングを使えばご覧の通り一瞬で糸切りを減らすことができます。

「ブランチングによる一筆書き」と「手作業による一筆書き」の縫い上がり比較

Wilcom ES ブランチング 比較
左:ブランチングによる一筆書き
右:手動による一筆書き

ご参考までに、実際に刺繍して比較してみました。左がブランチングによる一筆書き、右が手作業で丁寧に一筆書きにしたデータです。

これを見てどう思うでしょうか。正直これだけ見ると、違いなんてほとんど分かりませんよね。

手に取って細かく見比べると違いが分かるのですが、かといってブランチングで作成した刺繍が汚いとも思わないでしょう。普通の人は気づかないレベルです。

完全にオートパンチだけで刺繍データを作ると、どうしても粗が目立つことがあります。しかし、このように表面部分は手動で作り、糸をつなぐ作業だけを自動化する方法であれば、仕上がりもきれいに刺繍することができます。

正直ミシン刺繍のお仕事をしていく上で、これで十分というユーザーさんは多いかと思います。大幅に作業時間を短縮できることを考えると、ブランチングは非常に便利な機能です。

ブランチングはこんな人におすすめ

ブランチングは、初心者ユーザーさんにとって非常に強力な機能です。

特に、

  • 刺繍データ作成を始めたばかり
  • 縫い順を考えるのが苦手
  • 手軽に糸切りを減らしたい
  • 作業時間を短縮したい

という方は、ぜひ一度使ってみてください。

刺繍データ作りに挫折する理由として、この一筆書きがネックになっているパターンは非常に多いです。ここが解消されるだけでも、沢山の人が救われると思います。

玄人はブランチングを使わない?

ただし、刺繍データ作成を仕事として行う場合は、さらに高度な縫い順設計が必要になることもあります。

というのも、ブランチングはあくまでソフトの自動機能なので、必ずしも最適なステッチ順序やデータ構成になるとは限らないからです。デザインや製品・生地によって使用しづらい状況もあります。

プロの現場では、マニュアルパンチを使いながら縫い順を設計し、より効率的な一筆書きを作ることが多くなります。その考え方については、こちらの記事で解説しておりますので、次のステップとしてご参照いただけたらと思います。

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