Wilcomの刺繍ソフト販売・サポートについて

つなぎ糸(渡り糸)の特徴と使い方。販売するときの処理はどうする?

つなぎ糸(渡り糸)刺繍ソフト
やまもと
やまもと

こんにちは。糸の帆(itonoho)のやまもとです。

ここでは「つなぎ糸(渡り糸)」の特徴と使い方を紹介します。

カットの可否や、刺繍データ作りの参考にどうぞ。

つなぎ糸(渡り糸)とは

つなぎ糸(渡り糸)

つなぎ糸とは、オブジェクト同士をつなぐ糸のこと。デザイン上は不要な糸なので、一見邪魔でしかないように思えるかもしれません。

ブラザーの刺しゅうPROやジャノメのArtistic Digitizerなどでは「渡り糸」と呼ばれ、設定した長さでカットできるようになっています。wilcom系の刺繍ソフトだと「ランニング」と「ジャンプ」の2種類から選ぶことができ、ほつれ止めも細かく設定できるようになっていますね。

刺繍は糸切り・ほつれ止めをなるべくしないように

私も最初は「つなぎ糸は自動糸切りがない場合に後からハサミでカットするもの」程度の軽い認識でしたが、刺繍データ作りにおいては重要なテクニックのひとつと学びました。実際つなぎ糸の入れ方で品質にかなり差がでます。

プロが作ったデータを見るとつなぎ糸の使い方がとてもきれい。ここもセンスが現れるポイントです。

ほつれ止めのテクニック」でも解説しましたが、刺繍の基本は一筆書き。糸切り・ほつれ止めはなるべくしない方が綺麗に仕上がります。そこで登場するのがつなぎ糸です。

後から埋め縫いで隠れる場所はもちろん、そうでない場合にも少しでも糸切り回数を減らすためにつなぎ糸を使う場合があります。

糸切り回数を減らす工夫
  • 縫いはじめと縫い終わりの場所を調整する
  • 下縫いをうまく活用する
  • アウトラインに沿わせて目立たなく繋ぐ etc.

2種類のつなぎ糸「ランニング」と「ジャンプ」の使い分け

つなぎ糸を使うときは、wilcom系の刺繍ソフトで見られる「ランニング」と「ジャンプ」の考え方を持っておくと分かりやすいと思います。

刺しゅうPROで言えば「走りデータ(線縫い)」と「送りデータ(渡り糸)」の関係に近いです。

ランニングジャンプ
移動方法ステッチしながら移動針落ちせずに移動
用途埋め縫いで隠れる場所
近接する場所
表に糸を出したくない場所
ほつれ止めなしあり
糸切りなしあり/なし
「ランニング」と「ジャンプ」の使い分け

それぞれ詳しく見てみましょう。

ランニングでつなぐ場合

ランニングは、埋め縫いで隠れる場所や近接する場所など、一般的には埋め縫いのオブジェクト内に使われます。基本的には表面に出ないつなぎ糸なので、糸切りもほつれ止めもする必要はありません。

無駄なほつれ止めを減らすことで綺麗に仕上がるので、積極的に活用したいつなぎ糸です。

表面に出る場合でも極めて隣接する場所(文字の濁点など)や、デザインを損なわない箇所などはランニングで繋ぐ場合があります。ただし切ったらほつれてくるので要注意。

ジャンプでつなぐ場合

ジャンプは針を落とさずにフレームを移動させる手法で、基本的には表面に糸を出したくない場合に使われます。先ほどのランニングと違い、ほつれ止めされているのがポイント。

自動糸切り機能が付いた刺繍ミシンの場合は、糸切りの設定を行うのが一般的です。本来渡り糸が出るところを自動でカットしてくれるので楽ですね。(安価な刺繍ミシンの場合は、渡り糸が残るので後からハサミでカットする必要があります)

自動糸切り付きの刺繍ミシンでも、あえてつなぎ糸(ジャンプ)を残す場合があります。

  • ミシン稼働率を落としたくない場合
  • 小さなデザインで裏面もきれいにしたい場合 etc.

商品として販売するときのつなぎ糸の処理について

最後に余談ですが、お客様が刺繍付きのアイテムを購入した際、つなぎ糸(渡り糸)が残っていてカットして良いのか迷うケースがあるそうです。最近はハンドメイドアイテムも多く流通し、中には文字と文字の間のつなぎ糸もカットせずに販売しているお店もあるみたいですね。

カットしても良いか悪いかは「ほつれ止め」が施されているかどうかの一点ですが、当然作者以外は知る術がありません。中にはほつれ止めの有無まで把握できていない素人作家さんもいらっしゃるかも…。

たとえ近接した場所であっても、つなぎ糸が気になって自分でカットされるお客様もいらっしゃいます。濁点の間など以外はカットして販売するのが常識だと思いますし、カットしない場合でもほつれ止めの処理はしておくのが安心でしょう。

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