ミシン刺繍の「置き縫い」ってどんな方法?作り方と必要な材料を紹介

置き縫い枠 刺繍のやり方

山本凌哉

こんにちは!糸の帆(itonoho)のやまもとです。

ミシン刺繍では耳にすることも多い置き縫い。業界では日常的に行われている手法です。

ちなみに私が教えていただいた刺繍工場では9割以上が置き縫いで、刺繍枠にはめて刺繍することはほとんどないとのこと。

ここでは誰でもできる一般的な枠を使った「置き縫い枠」の作り方を紹介します。

置き縫いとは

ネーム刺繍

置き縫いとは、生地を挟まずに刺繍枠に乗せて刺繍するやり方です。画像は業務用刺繍機ですが家庭用の刺繍ミシンでもOK。

ミシン刺繍は刺繍枠にはめて行うのが一般的ですが、中には枠にはめたくないケースや物理的にはめられないケースもあります。

例えば、生地に枠の跡を残したくない場合や、大きさ的に枠に適さなかったり…。実際、枠にはめると生地にテカリが出て、アイロンだけでは戻らないこともありますからね。

ちなみに通常の刺繍枠を使わない手法は多々あります。

例えばステンレス製の枠にマグネットで固定する方式や、エアーの力を利用して生地を水平にクランプする方法など…。今回紹介する置き縫いは、手元にある枠で簡単に行うことができるやり方です。

なお、置き縫いは糊付き接着芯で作る場合や、スプレー糊を用いるやり方など色々ありますが、今回は汎用性の高いラミネートシートを使った方法を紹介します。

こちらは置き縫い専用の枠を用意する必要がありますが、一度作ってしまえば何百回も使用できるのでおすすめです。

置き縫い枠の作り方

それでは置き縫い枠の作り方を見ていきましょう。

最初はかなり時間がかかると思いますが、一度作れば長く使えるものなので頑張ってください(笑)

準備するもの

置き縫い枠 材料

まず準備する材料はこちら。

必要な材料
  • 刺繍枠
  • 置き縫いシート(片面・両面ラミネート)
  • セロテープ
  • 両面テープ

上記4つがあれば置き縫い枠は作れますが、うちでは刺繍枠の真下に台を設置しているので、滑りを良くするために「フッ素樹脂粘着テープ」も活用しています。

フッ素樹脂粘着テープ
フッ素樹脂粘着テープ

ちなみに「置き縫いシート」は下記のような所で入手できますので参考までに。私は両面タイプを使用していますが、普通に市販されている片面ラミネートでもOKです。

作り方

置き縫いシート

それでは置き縫い枠を作っていきます。

まずは置き縫いシートを枠よりも大きめのサイズにカットし、通常の刺繍と同じように刺繍枠で挟みます。この段階である程度の張りを持たせておけると良いですね。

置き縫いシートが挟めたら、刺繍枠の外に出たシートを枠裏面に折り込み、表面から裏面にかけてセロテープでグルッと固定。この作業を1周分ひたすら繰り返します。

セロテープで止める

ちなみにこの際、はみ出し過ぎた置き縫いシートはハサミで適当にカットしながら折り込んでいます。

最初からぎりぎりのサイズでカットしてしまうと、手で引っ張りながら張りを持たせることが出来ないので、大きめにカットしておいてこのタイミングで調整するのが良いと思います。

テープで固定しつつ、置き縫いシートに張りが出るよう調整するのがポイント。

置き縫い枠 

こんな感じで上手く固定することができました。

あとはカッター等で置き縫いしたいデザインに合わせたサイズにカットし、周りに両面テープを張り付けたら完成です。

置き縫い枠

穴のサイズはお好みで構いませんが、あまり大きすぎると安定感がなくなるので気を付けましょう。

両面テープは意外と粘着力が持ちますが、何度か使っているうちに弱まります。そんな時は貼り直せばOKです。

置き縫い枠は作るのが面倒なので、少しでも長持ちするよう丁寧に作っておきたいですね。

置き縫い刺繍のやり方

置き縫い枠の使い方

置き縫い枠が作れたらあとは簡単。両面テープに生地を張り付ければ刺繍が始められます。

もちろん通常のやり方と同様に接着芯も必要です。

置き縫いシートに針が当たらないよう、慎重にトレースしてから刺繍を始めましょう。

置き縫いはいちいち枠に挟む必要がありませんし、見た目以上に安定感もあります。直接刺繍枠に挟むときのように引っ張らないので布目も安定した状態でステッチできます。

多くのシーンで活躍するのも納得ですね。

一度作ってしまえばとにかく楽なのでぜひやってみてください。

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