こんにちは!糸の帆(itonoho)のやまもとです。
今回紹介するのはWilcom EmbroideryStudioの「スティプル効果」です。
ESのオプションにある特殊ステッチですが、ちょっと面白い活用法があるので紹介させていただきますね。
Wilcom ESの「スティプル効果」とは
スティプル効果を使うと、不規則にうねるようなステッチの埋め縫いが作成できます。
ステッチのタイプは3種類。
ランニングの種類が変わるだけで、基本的な動きはどれも同じです。
オブジェクトプロパティのスティプル値にて「ループ間隔」や「インセット」の数値を変えることで、うねりの度合いや余白を調整できます。デザインに応じて変えてみてください。
装飾ステッチの中でも使いどころが難しい機能ですが、デザインの一部に差し込んでみるとそれだけでアートっぽい雰囲気が出るんですよね。使っている方も少ないので、オリジナリティも十分出せるかと思います。
ちなみにスティプル効果は、グラデーション機能やクロスステッチとセットのエレメント。これだけで作れる刺繍作品の幅も一気に広がります。
普通の刺繍機でモコモコ刺繍を再現してみる
それではここで一つ、スティプル効果を使った作例を紹介。
サガラ風のモコモコ刺繍をスティプル効果を使って再現してみます。通常はサガラ刺繍機という専用の機械が必要なんですが、ESのスティプル効果を使えば普通の刺繍機でも似たような雰囲気を演出できるんです。
今回はトイプードルの毛並みを表現してみました。
スティプルステムステッチのループ間隔を狭く
データを見るだけでも良い雰囲気が出てますよね。タタミと比べるとその差は歴然。同じ埋め縫いですが、Wilcom ESではここまでの表現がボタン操作で作れてしまうんです。
使用しているのはスティプルステムステッチ。ループ間隔を最小の1mmにして密度を高めることで、スティプルでもご覧の通り隙間のない埋め縫いに仕上げることができます。
ちなみにステッチ数値は「太さ:2mm」「間隔:0.5mm」「角度:50度」。この辺りの数値を弄ると雰囲気が変わるのでぜひ試し縫いをしながら調整してみてください。
通常より太めの刺繍糸を使う
もう一つのポイントは使用する糸ですね。
普段はパールヨットの「レーヨン120d/2」をメインに使っているんですが、今回はそれよりも太いエンゼルキングの「レーヨン300d/2」と「フィールソフト360d」を使用しました。これだけでかなりモコモコ感が増します。
質感(光沢など)の違いを見るために2種類用意しました。エンゼルキングは一風変わった面白い糸が沢山ありますよね。
糸も種類があってなかなか全部揃えるわけにもいきませんが、まず好きな1色で一通り試してみるとアイデアも生まれてくるかと思います。
仕上がりはこんな感じ。どうでしょうか?
モコモコ感だけでなく、1色の糸で不規則な色の濃淡が出るので深みがでます。
データは同じですが糸の違いで雰囲気が変わりますよね。もちろん本物のサガラ刺繍と比べると立体感は薄れますが、これはこれで面白いと思います。
ぜひお試しください。
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